ギムナジウム外伝・エピソード0

注意!
・多分正史との矛盾多数あり。こういうパラレルもあったかもぐらいの気持ちで読んで下さい。
・最近の若い子に合わせて、今回は昭和チックな肉ネタは少なめ。期待していた人はごめんね。
では、はじまりはじまり。

 

 

「で、双子の人とかと留年飲酒の人と一番の人の中で誰が演技上手いん?」
「さあ、知らね。つーか、演技の良し悪しなんて俺にはわからんし」
「俺も俺も。だからさ、好きな生徒に入れたらいいんじゃね?俺はギムナちゃんに投票するわ」

演技力の高い奴が生き残ると思われていたこの戦い!
だが、なんやかんやで演劇の道を進む生徒はごく一部!大抵の生徒は受験でふるい落とされ、あるいは自分以上の才能を見て心が折れ、おるいは最初から演劇に挑もうともせずに普通科に流れ着く!

さらに言えば、この学園は毎年多数の行方不明者やら校外での死亡やら退学やらで上の学園に行くにつれて生徒が減っている!

その結果がこれだーっ!!

【投票先予想】
1位、中山ギムナ36%
2位から10位、団子状態でそれぞれ5%前後

演劇に命を賭けてきた少年少女は頭を抱えた。どうしてこうなった。いや、理由は分かっている。この学園で一番人数の多い中学一年の普通科、ここの連中がギムナを支持しただけである。それに加えて、特に推しの居ない演劇の良し悪しもあまりわからない連中や、ギムナのぶりっ子お色気アタックに脳が破壊された奴らの票も集まってこうなったのだ。

これは不味い。まだ本番開始前の投票予想先とはいえ、ここまで独走されるとこのままの勢いで優勝しかねない。こうなったら、演劇ガチ勢が一時共闘して中山ギムナを倒してから改めてバトルロイヤるしかないのだが、彼らは強い願いがある故に共闘は事実上不可能だった。

あー、普通科の候補者同士でも票の食い合いが起こってギムナ沈んでくれねーかなー。そんな風に祈りながら己の演技を磨き続ける事しか出来なかった。彼らは演劇においては超一流であっても、選挙活動においては学生レベルでしか無かった。

 

   【卍】  【解】

 

「まずは普通科全体をシメる!中一の中山って女子が今一番人気あるらしいなぁ!」

普通科の票を食い合ってくれそうなん居たよ!綾小路リョータ君のエントリーだぁー!女も殴れる暴力!豊富な人脈!そして心には愛する女!ギムナに対して優位に立ち回れる要素を数多く持つ彼なら或いは!

「えーっと、私思うんですけどぉ、もし誰かを生き返らせたいみたいな願いで参戦している人がいたら、勉強してスズハラとかに就職した方が確実と思うんですよ」

リョータ?ああ、奴は死んだよ。校内放送で意気込みを語るギムナの意見を聞いて、今は猛勉強しているらしいよ。

「ぐわー!」
「心が心が痛い!」

ついでに、流れ弾で何人かの参加者の心にもダメージが入ったみたいだね!当分は戦闘不能だ!

「ウフフフフ、全ては順調ね。中学一年生として潜り込んで正解だったわ」

ギムナは作戦の成功にほくそ笑む。ギムナの体格を考えれば、無理して孫と同じ中一として入学するのはリスクが高かったが、演劇ガチ勢から自分がノーマークのまま下準備が出来る事と一番の票田を得られる事を考えればやはり中一の普通科こそが優勝への最適。実際、生徒や教師の多くがギムナを支持している。

「私には今の若い子に勝る演技も魔人能力も無い。できるのは子供騙しの色仕掛だけ。でも、この学園に一番多くいるのが色仕掛に耐性の無い流されやすい子供なのよ。強者達が狭い選挙区でバチバチしてる間に簡単にカリフォルニアを取る事ができたわ」

そう、今のギムナは大統領選挙が始まる前からカリフォルニア州の選挙人を獲得しているのに等しい。最早ギムナを止められる者はいない。頼れるヤンキーもガリ勉になってしまった。ああ、このままギムナ優勝で若者たちの夢は途絶えるのか!?

「中山ギムナはおるかー?私と勝負しろー!」

挑戦者現る!勝利を確信し、放送室内で黒幕オーラを放っていたギムナは慌ててぶりっ子の仮面を被り直し入り口の方を向く。

「え、えっとどなたですかぁ?」
「私が来た!」

ドアを開けて登場したのは、額に『肉棒』という文字が刻まれた中性的な異国の男子。それと、額に『にくぼう』と油性マジックで自分で書いたお付きの女性。チンポソイヤ&ハイヨロコンデだぁー!

「ギムナ・ザ・100t!私は民意に基づき君にプロレス勝負を申し込みに来たのだー!」
「ゲェーッ、訳がわかりません!」
「ならば、私が解説しましょう。姫、いえ、王子はギムナさんと一発やりたいと考える男子生徒達の夢を受けてギムナさん絶対犯す肉棒マンと化したのです」

ソイヤの肉体はこの学園に来てからも変化を続けていた!学園男子がギムナをオカズにしまくっている中で、いつしかソイヤが演技勝負にかこつけてギムナに襲いかかる夢シチュが形成されていき、ソイヤの額に肉棒の二文字が浮かび上がり、ギムナとの争う運命に気付いたのだ!

これはマズイと思ったソイヤは、これ以上男子の妄想が暴走し取り返しのつかないシチュを浮かび上げる前に、プロレスバトルという比較的マシな形で妄想を消化しようとして行動に移ったのだ!なお、その際にハイヨロは王子ばかりに恥ずかしい思いはさせない為に、自分で額に文字を書いたのだ!

「そんな訳でギムナ・ザ・100tよ、私と一発やろうではないかーっ、今やらずに引き伸ばすと、どうなるか私にも分からん!多分えらいエロい事になるのは間違いない!」
「わ、分かりました。1回きりのプロレス勝負という形で男の人達の性欲が収まってくれるのなら!恥ずかしけど頑張ります!」

顔を赤らめ、股間をヒクつかせながらギムナはプロレス勝負を受諾する。

「それであの、日時はソイヤさん達に従いますが、その代わりにルールに条件を付けさせて下さい」
「屁のつっぱりはいらんですよ!」
「言葉の意味は良くわかりませんが、王子はギムナさんの条件は何でも飲む、馬場も猪木もどんと来いと言っています。ギムナさん、条件の提示をどうぞ」
「では、二つほど。まず安全の為に試合には風紀委員を一名レフェリー役として呼んでいいですか?それと、ルールを決めたのが私なのは恥ずかしから伏せる方向でお願いいたします」

下手したら大衆の面前で犯されかねないギムナの立場からすれば、これは当然の提案。ソイヤ達もこれに二つ返事でオッケーし、試合は翌日校庭で、風紀委員をレフェリーどした形式で行われる事となった。

「ふう、一時はどうなる事かと思ったけど、私の魅力でさらに多くの票を得ながらライバルを蹴落とすチャンスが来たわね」

変態王子と従者が去った後、ギムナは一息つきながら、疼き続ける股間をレオタードの上から撫で回す。

「明日はたくさんの男の人からいやらしい目で私のアソコが見られて、しかもソイヤさんと密着する…やぁん考えただけで濡れちゃいそう」

その言葉に反してギムナのアソコは全く濡れていない。『本当の女性器』なら起こるべき反応を示さず、その代わりとばかりに割れ目全体が熱く脈打っていた。

「ハアハア、入学してからずっとヌイてないから最近はすぐにこうなっちゃう…。でもレオタードを着ていたら大丈夫よね」

そして、翌日。ソイヤは風呂敷を背負い裏口から出ていこうとした所をハイヨロに見つかり捕まっていた。

「王子ーっ、何やってるんですかー!」
「グヌーヅ、いざ本番が近づくとやはり怖くなってきたのだ。それに、何か一回はこの流れをやらないといけない気がしてのう」
「たくーっ、行きますよ王子」
「おわーっ、分かったから引っ張らんてくれーっ」

一般男子のヘタレ心が伝線してしまったのか、すっかり弱気になったソイヤはハイヨロに引きずられながら即席リングのある場所へと辿り着いた。

「待っていましたよソイヤ殿下。これで両者揃いましたね。私は今回のレフェリーを務めさせていただく風紀委員の、目隠れ巨乳高身長水流園星夢です名前長いし変換が大変なので以下ではボインと呼んて下さい」
「うむ、よろしくなザ・ボインよ。して、今日はどんなルールになったのだ」
「まずはあちらのリングをご覧下さい」

ソイヤがリングの方に目を向けると、レオタード姿のギムナの他にロープを手にした四人の人物がリンクの四隅に立っていた。

「ザ・ボインよ、彼らは何なのだ?」
「紙屋朔さん、白木鉛さん、不破煉さん、大嵐閃里さん。今回のコーナーマット役であり、アヘアヘ四方制圧マッチの勝利条件にもなっている四人です」
「アヘアヘ四方制圧マッチだとーっ?」
「はい、今回の勝負は対戦相手をダウンかリングアウトさせ、その隙にコーナーマット役の四人の顔面に五秒間股間を押し付けたら勝ちです。考えた奴馬鹿じゃないの?というか、貴方がルール提案したのですよね?」
「なにーっ、ち、ちがうわい!私はこんな変態ルールは考えておらぬ!これはギムナ…」

反論しようとしたソイヤだったが、ここで先日の約束を思い出す。ルールはギムナが決めるが、ルールを考えたのはソイヤだとする事を。

「えーんえーん。ソイヤ殿下、こんなエッチなルールで私とやり合おうとするなんて、噂通りの変態なんですね!で、でもヒロインになる為に私頑張ります!」
「な、なんて卑劣な王子なんだ!」
「ギムナちゃんマジ可哀想!」
「ちくわ大明神」

ギムナの嘘泣きに騙され怒り心頭な生徒が、ソイヤにゴミを投げつける。

「わかった、わかったわい!私の考えたルールでよかですよ!だから始めましょう!お客さん空き瓶とかをリングに投げないでイテテテ」

ギムナを応援する男子たちの暴動を防止するためにも、この場は自分かルールを考えた事にするしかないソイヤだった。

「それでは両者揃ったので、いざ試合開始とします!しゃちちゃん、ゴング!」
「はい!」

ボインに付き従う小学生がハンマーを振り上げる。

スウ〜
かーン

「いくぞギムナ・ザ・100t!」
「変態王子には負けない!」

ゴングと同時にギムナとソイヤは同時にドロップキックを放つ。しかし、両者のパワーの差は歴然。リング中央に着地したギムナに対し、ソイヤはコーナーまでぶっ飛ばされた。

「ぬうっ、中一の女子とは思えん体幹の強さじゃのう。しかし、これはこれでチャンス到来じゃい!」

そう、コーナーまで飛ばされたという事は、コーナーマット役をしている者に股間を押し付けるチャンスでもある。なので早速ソイヤはコーナーに居る人物、紙屋の顔に股間を押し付けに行った。

「Mr.カミヤ、私の最初の餌食となれーっ!股間にイチモツ手に荷物ー!」
「ボーフォフオ、させへんわ、かげろうモーフィング・AV男優!」

次の瞬間、紙屋の股間が一瞬で勃起しソイヤを弾き飛ばした。

「おわーっ!?」
「フォフォフォ、僕はAV男優になった世界線の魂をインストールする事でいつでも一瞬で勃起できるんや。野郎の股間を顔面で受けたくは無いから、悪いけど抵抗させてもらうわ」
「何だと!なら何故コーナーマット役を引き受けた!」
「モロチンそれはギムナちゃんの助けになりたいからや。ギムナちゃーん、今がチャンスなんよ」
「ハーイ!」

駆け寄り股間を押し付けるギムナを、紙屋は無抵抗で受け入れる。

「ワンツースリーフォーファイブ、ギムナ選手一つ目のコーナー制圧しました」

ボインが光の速さでカウントし、あっさりとギムナのコーナー制圧が認められた。

「フォフォフォー!至福の一時や〜」

鼻血を出しながら恍惚の笑みを浮かべる紙屋。一見完全にキャラ崩壊しているが、これはAV男優になった世界線の自分とシンクロした結果なので間違いなくプロフィール設定通りである。

そもそもAV男優になるなとも思うかも知れないが、彼はコーナーマットとして両手でリングロープを持ち続けないといけないから、手足をほとんど動かせないのだ。よってチンチンを使うしか無かったのである。

「まずいぞ、この勝負はタイマンなどでは無かったという訳か。私の嫌われぶりと相手の好かれぶりのせいで実質五対一ではないか。私が勝つにはコーナーの全員をKOして反撃されない状態で股間を押し付けていくしか無いのか!?」
「王子、そうとも限りませんよ!」
「おおハイヨロよ、何か作戦があるのか?」
「ええ、王子。リングにいるコーナーの四人をもう一度確認して下さい」

言われてもう一度コーナーの四人を確認する。

「お、おおっ!よく見たら両刀疑惑のある二人に、頼んだら何でもしてくれそうな女子がおるではないかーっ!」
「ええ、ですから紙屋さんの事は一旦後回しにして、先に他の三人を攻略するんです」
「分かったわい、それでは早速…!」
「ギムナヒップアタック!」
「おわーっ!」

ハイヨロの助言で突破口が見つかるものの、そもそもの話ギムナが妙に強い。

「ギムナ・ザ・100t、君は本当に中1の女子なのか?」
「私はおじいちゃんから学んだ技を使っているだけですっ、プンプン」
「それについては私が説明するわ。ギムナは五十年前の祭りでデブゴンと呼ばれるぐらいにアクションが上手くて優勝争いに後半まで残っていたの。彼以上のアクションが出来たのはトクさんぐらいだったわ」

レフェリー席のしゃちちゃんがギムナの強さについて補足する。何で十歳児が五十年前の事詳しいのかとか、孫の方のギムナを祖父の方のギムナと混同して話している様だとかツッコミポイントは多かったが、今重要なのはそこじゃない。このままでは特殊ルール関係なくソイヤはKO負けしてしまう。

「考えてみたら、私には戦闘用の能力が無いではないか!や、やっぱりこんか勝負挑むのでは無かった」
「王子しっかりして下さい!王子がここで負けたら、体内に生じた性欲をプロレスで消化しきらなかったら大変な事になるんですよ!」
「私の体内にある数多の性欲…そ、そうかーっ!手段はあった!」

何かを閃いたソイヤは、下半身に着ていたものを全部脱ぎ捨てた。ソイヤの巨大なソイヤがソイヤしているのが顕になり、観客席から悲鳴が飛ぶ。

「やっぱり、あの王子は変態なんだ!」
「これからあのチンポでリングにいるやつら全員犯す気なんだ!」

彼らの発言を受け、ソイヤのソイヤは更にソイヤしていく。

「よし、これだけのサイズと硬度があれば十分かのう。行くぞ、ソイヤフェンシングー!」
「ゲェーッ」

ソイヤー!
ソイヤのソイヤフェンシングがギムナの頭に直撃!その時、ギムナの頭からベリッとノリが剥がれる様な音がした。

「や、ヤバっ。今の攻撃でヅラの接着剤が…」

頭部を押さえてダウンするギムナ。その隙にソイヤは一番近くのコーナーに走る。

「ザ・下痢天!まずは君からだー!」
「流石にその呼び名は酷いよ!」
「安心せい!ちょっと五秒だけソイヤソイヤするだけじゃい!行くぞ、ザ・下痢天!」
「だから、呼び名ー!」

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!
大嵐閃里、攻略完了!彼女の能力ならソイヤを拒否する事もできたが、呼び名の酷さにショック受けてる間に全てが終わっていた。

「五カウント確認、ソイヤ選手一箇所目制圧完了です。それはそれとして、貴方は最低です」
「よーし、次ぃ!」

ギムナはまだ頭を押さえて髪型とメイクを気にしている。今がチャンスとばかりに、ソイヤは連続達成を狙う。

「次は君じゃ!四人の中で一番私を受け入れてくれそうなプリンス・フワレン!」
「うん、いーよ!」

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!
不破煉、無抵抗でソイヤのソイヤを受け止め攻略完了!

「はう〜、これはこれで気持ち良かった~」
「ソイヤ選手二箇所目攻略完了。大概にしやがれ。不破様、お前にも言ってるんだからな。死ね」

これで後二人。作戦では紙屋以外の性的許容度が高そうな三人を優先して攻略する予定だった。故にソイヤが三番目に狙うのは白木のはずだったのだが、

「ニャガニャガ〜。いいよ。こちらはいつだって受け入れおっけーさ」
「お、お前は最後じゃホワイトホール!Mr.カミヤ!リベンジマッチじゃー!」

ソイヤは白木を後回しにし、紙屋と再戦を選ぶ。だって、何かガチっぽいもん。白木。

「くらえぃ!ソイヤフェンシングー!」

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!

「甘いわ!紙屋式チンチンの舞!」

カミヤカミヤカミヤカミヤカミヤカミヤ!

ソイヤのソイヤが紙屋の顔面を狙うが、カミヤのカミヤがガードし、中々目標を達成できない。 

「くっ、さっさと私のモノを受け入れんか!」
「よく間違われるけど、僕はノーマルやから!」
「えーい、ならばこれでどうだー!」

ソイヤは大きくジャンプし、カミヤのカミヤの上に尻を乗せた。

ズボボン!!

カミヤのカミヤはソイヤの中に飲み込まれていく。

「しもたっ!僕のチンチンが尻の中に!これじゃあ顔をガードできへん!」
「勝負あったな!行くぞーっ」

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!

「グワーっ、ぼ、僕の負けや」
「はいはい、ソイヤ選手リーチです。はよ終われ、こんなクソゲー」

嫌悪も殺意も通り越し、呆れと諦めの境地に至ったボインが鼻をほじりながらオッケーサインを出す。

一方、ギムナはまだダウンしていた。

「やだっ、だめっ、動いたら色々バレちゃう…ああん、皆が私を見てる!興奮が収まらない!」

髪の毛と股間を押さえモジモジしている。何やら股間がいつもより前にせり出しているが、ここまで来たらそんな事よりミッションコンプリートだ。

「い、行くぞ!ホワイトホール!お前だけ別格に怖いけどやったるわい!」
「ニャガニャガニャガ、覚悟はきまったみたいだね」

本能で白木の性癖を感じ取り震えが止まらないソイヤだったが、ここで立ち止まったらスーパーヒーローじゃない。覚悟を決めてソイヤを顔面に放つ。

ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ!

パクッ

「パク?」

顔面にソイヤを乗せた時の感触が今までと明らかに違うのに気付いたソイヤ。恐る恐る確認すると、ソイヤのソイヤの先端が丸ごと白木の口の中に入っていた。

「ふふ、なるほど。色んな
味がするね。君の中には他人の思いが沢山詰まっていた様だ。まあ、その思いもこうして吸い出されていってるけどね」
「あ、ああああ。徐々に思考が奪われていく〜」

今のソイヤを構成していた学園男子のスケベ心が吸い出され白木の腹に収まっていく。
そして、遂にソイヤの中に溜まっていた他人の感情が全て失われた。額の肉棒の字が消え、股間が縮んでいき、胸が膨らむ。ソイヤはソイヤに戻ったのだ。

「復っ活!姫様復活!姫様復活!」
「してぇ…試合放棄してぇ〜」

ハイヨロは大歓喜。一方、戦いの理由を失ったソイヤはこの試合をやめたいと素直に自白した。うん、一国の姫がやって良い試合じゃなかったしね。つーか、最初から白木に頼めばソイヤの問題は解決したやん!

「あ、それじゃあソイヤ選手試合放棄って事でギムナ選手の逆転勝利。さ、立って勝利宣言を」
「ええっ、あ、はい。わぁいやった〜」

立ち上がりダブルピースで勝利宣言するギムナ。しかし、様子がおかしい。笑顔はぎこちなく、髪型は乱れ、股間は膨らんでいる。

「むむっ、怪しい!やっぱり他の女子が言っていた噂は真実!?」
「前からギムナちゃんは気になってたんだ〜」
「これは、確かめる必要あるかもしれへん」
「レア石の予感だね」

ここでコーナーの四人が一気に動き出す。
実は白木以外の三人はそれぞれ隙あらばギムナ失脚のチャンスを狙っており、その為にこの試合に参加したのだ!白木は趣味で来た。

「さあ、行こうか。合体攻撃エクスタシーフォーメーション!」

【エクスタシーフォーメーション】
攻撃力5600
射程P1〜4
消費EN100
必要気力140

白木の号令で四人の魔人能力が融合し、ギムナは竜巻に包まれた状態で自らレオタードを脱ぎだし、チンチンで何度も顔面殴打されメイクを剥がされた後に、尻からボーリング玉サイズの硫黄玉を出して全がどうでもよくなり脱力していった。

「いやーん、元に戻っちゃったオカマっ」

竜巻が去った後に残ったのは、全裸で半年分の射精をし続けるメタボ老人だった。

「オゲェェェェェ!!!」

ギムナファンの観客全員嘔吐!

「オゲエエェェ!!」

ギムナの正体をここまで汚いと思ってなかったリング上の面々も嘔吐!

「硫黄玉ウマー」

白木は平常運転!

「うん、とりまお前逮捕な」
「ち、ちがうんじゃ!ワシはこの学園に縛られている若者達を救いたかっただけなんじゃー!」

(嘘である)
(生徒達が謎の強制力で踊らされいるのは間違いない)
(しかし、ギムナの目的は若者の夢をはばみ、悲しむ顔を見る事と美少女としてチヤホヤされる事である)

「あ、この人嘘ついてます」

ギムナ渾身の嘘は、たまたま観客の中に居た嘘が絶対わかる魔人によってあっさり見破られた。

「ま、まて、話せばわかる。今じゃー!トンズラー!」
「あ、逃げた!デブジジイなのに妙に速い!」

一瞬の隙をつきボインの手を払いギムナは全力ダッシュ!

「ワハハ!中山ギムナとしては再起不能じゃが、ワシの女装レパートリーはまだまだある!ほとぼりが冷めた頃に別の美少女の姿で…んぎゃー!」

笑いながら逃げるギムナが、突然悲鳴と共に倒れる。観客の中にたまたま混ざっていた動物を操る魔人がギムナに野良犬をけしかけたのだ。

「ちくしょ~、相変わらず右も左も伏兵だらけ!だからこの学校は嫌いなんじゃ!」

その言葉を最後に、ギムナは逮捕され学園を去っていった。こうして本戦前に最悪の事態は回避され、当初の予定通り演劇ガチ勢同士の争いがメインとなった。演技の良し悪しなんて分からん、俺達は雰囲気でギムナジウムしていると言っていた普通科の男子も多少は真面目に票を入れる様になった。

さあ、ノイズは消えた。
祭りの始まりだ。

ダンゲロスSSギムナジウム
エピソード0
ギムナの野望

【彼らの脱落理由とその後】

リョータ:学業に専念。アキカンに人の魂を入れる研究を始める。

不破様:今回の事件で「こいつも本当にカワイイか信用できなくなった」との意見が出て票が伸び悩み敗北。おのれギムナ。

ボイン:ギムナの再来に備えての警備強化に伴い、風紀委員の仕事に専念せざるを得なくなる。おのれギムナ。

しゃちちゃん:ギムナ騒動の後、いずこかに姿を消す。普通にお祭りを楽しみに来た子供として人々には思われている。

長門どん:ギムナ逮捕の決め手になった結果、風紀委員の臨時助っ人としてスカウトされ、人の良い彼はそれに従ってしまう。

古院さん:長門とセットで風紀委員に誘われ、一度は断るが参加者に嘘つきが多すぎて頭痛が痛い上に、「僕参加してません」が口癖の柴犬と「今日ゼロ文字」が口癖のロックマンが横切り頭が脳天直撃セガサターン。最早演劇とか無理と判断し、保健室通いながら風紀委員に協力する。

大嵐氏:この学園の異変を追うと言い、ジャングルに消えた。

ソイヤソイヤ:本国に強制帰国。国王にめっちゃ怒られるが、結果として難を逃れる。

紙屋ーん:AV男優化がきっかけて、今の自分を肯定出来る様になり参加取り消し。

白木だよこの野郎:ギムナの尻から出た硫黄玉を食べた翌日に中毒になり、保健室とあの世を往復してる間に祭りが終わっていた。

 

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