「目いっぱい、手を伸ばす。空の星に。誰かの背中に。衣裳部屋のハンガーに。小さな体では、そうしなければ届かないものばかりだ」
■通り名
「小さな大道具」または「鋼鉄妖精」
■名前
求道 匠(ぐどう たくみ)
■性別
女性
■年齢
18
■学年 / 所属
天凌学園・普通科・高校三年生
■部活動
演劇部
■外見
非常に小柄。
後頭部にリボンを着けている。
自分の体より大きな金槌を携行している。
■性格
元気よく、気前よく、愛想よい。
付き合いの浅い者からはよく可愛がられ、関りの深い者からは頼られがち。
付属幼稚園から所属している生え抜きであり学内ではそれなりに名の知れた存在。
■能力
『パラドックスデカハンマー』
金槌で叩いた人工物を部材の状態に戻す能力。
この場合の人工物の定義は「人間またはそれに準じる知生体が自らの意志で制作した物」なおかつ「製作者がその状態で完成品だと認識している物」に限る。
また、戻ってくる部材は「製作者が材料として手に入れた時点での状態」となり、制作過程で失われた部分も加工前の状態に戻る。
例えば板材であれば切り離したり穴をあけた部分も元に戻り、塗料などは未開封の容器に入った状態になる。
匠は材料費を節約するために多用しているが、制作の痕跡さえ残さないことについては寂しさを感じており、造形者として残酷な能力だとすら考えている。
■プロフィール
演劇専修科を擁する天凌学園において普通科の演劇部とは「卒業後に演劇にたずさわろうとまでは思わないものの演劇に興味はある素人の集まり」である。
そんな中で匠は大道具の作成、設営を担当している。匠の造形能力、脚本への理解力は演劇専修科の生徒や教師から見ても非常に高レベルであり、彼らから仕事を依頼されることもある。実際に大道具に関してはどんな難題でも期待に応えて見せる力量の持ち主。
演劇に関わらない分野でも相談や頼みごとをよく持ち込まれ、道理に外れることでなければ協力を惜しまない。
小柄な体系は舞台映えしないことを自覚しており裏方仕事に徹している。希望よりも適正に甘んじて仕方なくやっているというわけではなく、自分の役割に対して強い責任感と誇りを持ち、なにより大道具という活動を楽しんでいる。
過去に一度だけ幼稚園のお遊戯会で妖精の役を演じたことがある。あくまでもその時点での話ではあるが、その後演劇専修科で成績上位者となった児童たちと比べても遜色ない表現力があったとされる。
実のところ奇跡を求めてはいない。そもそも主役を目指すというのもポーズに過ぎない。
彼女の目的は「主演に相応しい人物を見つけること」だ。
他の候補者に対しては主役足りえる条件とは何かを問いかけるつもりでいる。
その答えが納得できるものでないなら相手のことは死んでも認めないだろう。
そして本当の主役に相応しい人物を見つけられず、自身が投票で主役に選ばれることがあるならば、純粋に演劇としてできる限りの力を尽くそうと考えている。
なんにしても他の候補者と接触しなければ始まらない。もし良さそうな人といきなり出会ってもその人が一番相応しいと即決するのは早計だ。他の候補者もチェックするべきだろう。とりあえず体当たりの総当たりで。